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内見で確認する防災チェックリスト|不動産会社に聞くべき質問と周辺の見方

災害・防災

内見にかけられる時間は、そう長くありません。その短い時間で、日当たりや収納、コンセントの位置を見て回るだけで終わってしまう方は少なくないはずです。けれども内見は、その物件について自分の目で確かめられる、ほとんど唯一の機会でもあります。

本記事では、防災の視点で内見をどう使うかを解説します。室内で見る項目、共用部で見る項目、周辺を歩きながら見る項目を順に取り上げ、最後に不動産会社へ聞いておきたい質問もまとめました。当日そのまま使えるチェックリストとして、ぜひ参考にしてください。

内見前に済ませておく2つの準備

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現地で見るべきものを増やす前に、まず準備の話からです。何も調べずに向かうと、目の前の部屋の印象だけで判断が進んでしまいます。逆に、事前に地図を開いておくだけで、当日に見えるものがかなり変わってきます。

準備といっても、やることは2つだけです。ハザードマップの確認と、避難先の下調べを済ませておきましょう。

1. ハザードマップを開いて候補地の想定を確認しておく

最初にやっておきたいのが、候補物件の住所でハザードマップを開くことです。浸水想定区域に入っているのか、入っているなら何メートルの想定なのか、土砂災害の区域にかかっていないかを見ておきます。

ここで数値をつかんでおくと、当日の見方が変わります。浸水想定が3mある地域なら1階の状態を重点的に見る、傾斜地なら擁壁を丁寧に見る、といった具合に、限られた時間の使いどころが決まるためです。

2. 避難先の候補と道のりを地図で見ておく

もう一つが、避難先の確認です。物件から最も近い指定緊急避難場所を地図で探し、そこまでの経路をざっと見ておきます。災害の種別ごとに指定が異なるため、洪水のときと地震のときで向かう先が違う場合もあります。

経路が決まっていれば、内見の帰りに実際に歩いてみましょう。これが後半で触れる、周辺を歩く確認につながります。

当日持っていくと役に立つもの

特別な道具は不要ですが、次のものがあると確認がはかどるでしょう。

  • スマートフォン(地図と写真の記録に使う)
  • メジャー(家具を置ける幅の確認に使う)
  • このチェックリストのメモ

写真は、あとで複数の物件を比べるときに役立ちます。とくに複数の物件を回る日は、どの部屋の何を見たのか記憶が混ざりがちです。

(参考:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」)

室内で確認する防災チェックポイント

部屋に入ったら、間取りや日当たりと並行して、防災の目でも見ていきます。ポイントは、災害が起きたときにこの部屋がどう変わるかを想像しながら歩くことです。

ここでは、窓、壁、電気、給湯、水まわりの順に見ていきましょう。

窓とサッシの状態を見る

まず窓です。サッシの枠にゆがみがないか、鍵がすんなり掛かるかを確認します。建てつけが悪くなっている場合、建物や地盤の動きが影響していることもあります。

あわせて、窓が面している方角と、その先に何があるかも見ておきましょう。すぐ隣に高い擁壁がある、崖に面している、大きな樹木が近いといった条件は、強風や大雨のときに影響してきます。

家具を置ける壁と置けない壁を見分ける

背の高い家具を置く予定があるなら、どの壁なら置けるかを内見時に決めておくと安心です。窓や出入口が多い部屋では、置ける壁がほとんど残らないこともあります。

寝る場所の周囲に倒れてくるものを置かずに済むか。この一点だけでも確かめておくと、入居後の家具配置がずいぶん楽になります。メジャーで壁の幅を測っておきましょう。

ブレーカーと分電盤の位置を確認する

分電盤の位置は、意外と見落とされがちです。脚立がないと届かない高さにある、押し入れの奥にあるといった場合、停電から復帰するときに手間取ります。

契約アンペア数も、この場で確認できます。表示が見つからないときは、遠慮なく担当者に聞いてください。

給湯器と室外機の設置場所を見る

給湯器やエアコンの室外機が、地面に近い位置に置かれていることがあります。浸水想定のある地域では、この位置が生活の復旧速度を左右します。

ベランダや外壁のどのあたりに設置されているか、高さはどのくらいかを見ておきましょう。写真を撮っておくと、あとから比較できます。

水まわりのカビ跡と結露のサインを探す

洗面所や浴室、窓の下枠、クローゼットの内側といった場所に、カビ跡や変色がないかを見てください。日常的な湿気の問題であることも多いのですが、雨水の侵入が原因の場合もあります。

気になる跡を見つけたら、原因を担当者に確認しておきましょう。答えが用意されているかどうかも、判断の材料になります。

建物の共用部で確認する項目

部屋の中だけを見て帰ってしまうと、建物全体の条件を見落とします。共用部は、災害時に生活を続けられるかどうかを大きく左右する部分です。

エントランスから駐輪場までの移動のついでに、次の3点を見ておきましょう。

上階へ上がれる共用階段と屋上の出入口

浸水想定のある地域では、建物の中で上へ移動できるかどうかが重要になります。共用階段が屋上まで続いているか、屋上の扉に施錠がされているかを確認しておきましょう。

施錠されている場合、いざというときに開けられるのかを聞いておくと安心です。管理会社の方針によって扱いが異なります。

受変電設備やポンプ室が低い位置にないか

建物の電気は受変電設備を通じて各住戸へ送られ、水はポンプで上階へ送られるしくみです。これらが地下や1階に置かれている建物では、浸水によって停電や断水が起こるおそれがあります。

国土交通省 and 経済産業省がまとめたガイドラインも、この問題を受けて作られたものです。設備がどこにあるかは外からでも見当がつくことが多いので、エントランス周辺や建物裏手を見ておきましょう。

駐輪場やゴミ置き場から見える排水の状態

敷地の中で、水がたまりやすい場所があるかどうかも見ておきます。排水口の周りに落ち葉や土が詰まっていないか、地面に水の流れた跡が残っていないか。こうした痕跡は、大雨のときの様子を教えてくれます。

管理が行き届いているかどうかも、同時に分かります。共用部の清掃状態は、災害時の対応力とも無関係ではありません。

(参考:国土交通省・経済産業省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」)

周辺を歩きながら確認する項目

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内見が終わったら、そのまま帰らずに周辺を歩いてみてください。地図では分からない起伏や水の流れは、歩いてみると分かります。ここが、防災の視点では最も情報量の多い時間です。

坂、擁壁、側溝、そして避難先までの道のりの順に見ていきましょう。

坂の向きで水の集まり方が分かる

物件の前に立って、道路がどちらへ下っているかを見てください。建物が坂の下側にある場合、大雨のときは上から流れてきた水が集まりやすい位置にあることになります。

周囲より一段低いくぼ地になっていないかも、歩いてみると分かります。地図の等高線では読み取りにくい、わずかな高低差が見えてくるためです。

擁壁は水抜き穴とひび割れを見る

傾斜地の物件では、敷地や周辺の擁壁も見ておきたいところです。国土交通省が公開している擁壁チェックシートでは、次のような点が着眼点として挙げられています。

見る場所 着眼点
水抜き穴 穴があり、詰まらずに排水されているか
擁壁の表面 常に湿っていないか、水がしみ出していないか
ひび割れ 幅1mm以上の割れが横方向や斜めに入っていないか
目地 前後のずれや上下のずれがないか
石積みの壁 全体が前方へふくらんでいないか、石が抜けていないか

なお、水抜き穴は3平方メートルに1か所以上、内径75mm以上が目安とされているものです。専門的な判定は難しくても、穴が見当たらない、ひび割れが目立つ、といった状態は素人目にも分かります。気になったら担当者に伝えてください。

側溝と排水口が詰まっていないか

道路脇の側溝や排水口も見ておきます。落ち葉やごみでふさがれている場所が多いエリアでは、雨水が道路にあふれやすくなります。

ふだんは気にも留めない部分ですが、大雨のときに真っ先に問題になる設備です。

避難先までの道のりを実際に歩く

最後に、事前に調べておいた避難先まで歩いてみます。地図上の所要時間と、実際に歩いた感覚のずれを確かめるためです。

  • 上り坂や階段が続いていないか
  • 踏切や大きな交差点を渡る必要がないか
  • 道路が周囲より低くくぼんだアンダーパスを通らないか
  • 歩道が狭く、交通量が多い道ではないか
  • 街灯が少なく、夜は暗くなりそうな区間がないか

とくにアンダーパスは、大雨のときに水がたまりやすい場所です。避難の経路に含まれている場合は、別の道も探しておきましょう。

(参考:国土交通省「我が家の擁壁チェックシート(案)」)

不動産会社に聞くべき5つの質問

現地で見て分からないことは、その場で聞くのがいちばん早い方法です。遠慮する必要はありません。むしろ、質問への答え方から、その会社がどこまで物件を把握しているかが見えてきます。

内見の場で聞いておきたい質問を5つ挙げます。

1. 過去に浸水や漏水があったかどうか

まず聞いておきたいのが、その建物や周辺で過去に浸水や漏水があったかどうかです。分からない場合も、管理会社に確認してもらえるかを尋ねておきましょう。

2. 電気設備と給水設備がどこにあるか

受変電設備やポンプ室の位置は、外から見ただけでは判断がつかないこともあります。停電や断水が起きたときにどうなるのかとあわせて確認しておくと、上階を選ぶかどうかの判断材料になります。

3. 共用部の防災設備と管理体制について

備蓄倉庫があるか、非常用電源の用意があるか、災害時の連絡体制はどうなっているか。建物によって対応はまちまちなので、この機会に聞いておきましょう。

4. 重要事項説明でどこまで説明されるか

賃貸借契約の前に行われる重要事項説明では、水防法にもとづく水害ハザードマップにおける物件の所在地が説明されます。ただし、それは契約直前の場面です。内見の段階で資料を見せてもらえるかを聞いておくと、比較検討がしやすくなります。

5. 内見に同行して一緒に確認する

ここまでの項目を、限られた時間で一人で見て回るのは簡単ではありません。どこを見ればよいか分かっていても、実際には間取りや設備の確認で時間が過ぎていきます。

ゼンは、横浜市で不動産賃貸事業を営む会社です。神奈川県宅地建物取引業協会に加盟し、物件のご提案から賃貸契約、ご入居までをサポートしています。内見の前に見ておきたい点や、当日に確認したいことがあれば、遠慮なくお伝えください。

(参考:国土交通省「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」)

【まとめ】内見は防災の情報をいちばん多く集められる時間

内見で見ておきたい項目は、室内、共用部、周辺の3つに分けられます。室内では窓とサッシ、家具を置ける壁、分電盤や給湯器の位置、水まわりの跡を見ます。共用部で確かめたいのは、上階へ上がれる階段と屋上、受変電設備やポンプ室の高さ、敷地の排水の状態です。周辺では坂の向き、擁壁の水抜き穴とひび割れ、側溝の詰まり、そして避難先までの道のりを確かめましょう。

事前にハザードマップを開いて避難先を調べておけば、当日どこを重点的に見るかが決まります。分からないことは、その場で不動産会社に聞いてしまうのがいちばん確実でしょう。

ゼンは、こだわりの条件から住まいを探すお客様と向き合ってきた賃貸仲介会社です。間取りや設備だけでなく、周辺環境まで含めて考えたいというご相談にも、物件を絞り込む段階からお付き合いします。何を見ればいいか分からないまま内見の日を迎えそうな方は、ぜひ一度ゼンにご相談ください。

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