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災害に強い地域の条件とは?子育て世帯が一都三県で物件を選ぶ基準を解説

災害・防災

ひとり暮らしのころは、多少の不安があっても家賃と駅までの距離で住まいを決められました。それが子どもを迎えた途端、基準が入れ替わります。抱っこひもで階段を降りる自分を思い浮かべた瞬間、後回しにしてきた災害のリスクが急に自分ごとになる。妥協したくないという気持ちは、そこから芽生えるものです。

本記事では、災害に強い地域をどう見極めるのかを、地形・地盤・浸水想定・避難環境という4つの条件に分けて解説します。一都三県の台地と低地の成り立ちや、乳幼児連れを前提にした避難環境の確かめ方も取り上げます。安全性と利便性の折り合いの付け方までまとめましたので、エリア選びの土台としてぜひ参考にしてください。

災害に強い地域の条件とは?子育て世帯が見るべき4つの視点

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災害に強い地域かどうかは、駅前の雰囲気や街並みの新しさからは読み取れません。手がかりになるのは、その土地がどのようにできたのかという成り立ちと、いざというときに逃げられる環境が整っているかどうかです。ここでは確認したい視点を、地形・地盤・浸水想定・避難環境の4つに分けて見ていきます。

どれか一つが良ければ安心、というものではありません。4つをあわせて見て、はじめてそのエリアの安全性がどの程度なのかを判断できます。

地形:台地か低地かで水害リスクの前提が変わる

最初に見るべきは、候補地が台地の上にあるのか、低地にあるのかという点です。理由は単純で、水は必ず低いほうへ集まるからです。同じ市区町村の中でも、台地の上と低地とでは、水害に対する前提条件がまったく違います。

国土地理院は、土地の成り立ちごとに地形を分類し、それぞれに起こりやすい災害を示しています。代表的な区分は次のとおりです。

地形分類 土地の成り立ち 土地の性質と注意点
台地・段丘 周囲より一段高い平坦な土地 川の氾濫による浸水は受けにくい。縁の斜面や崖は要注意
自然堤防 洪水時に砂などが積もってできた微高地 低地の中では相対的に高い
後背低地 川の堆積が届きにくい低湿地 液状化、洪水・内水氾濫
旧河道 昔の川が流れていた跡 液状化、洪水・内水氾濫
埋立地 低地や水面を埋めて造成した土地 液状化、地盤の変形、高潮

住所の文字を見ただけでは、その土地が5つのどれにあたるのかは分かりません。現地を歩いて受ける印象も同じで、造成された住宅地では元の地形が見えなくなっています。災害に強い土地かどうかを見極めるには、地形分類まで下りて確認することが出発点になります。

地盤:揺れやすさと液状化のしやすさは地形から読める

地震の揺れの大きさは、震源からの距離だけでは決まりません。同じ震度でも、やわらかい地層が厚く積もった土地では揺れが増幅されやすく、固い地盤の上では揺れが小さく収まる傾向があります。

液状化のしやすさも、地形と無関係ではありません。砂の層に地下水を多く含む土地、つまり旧河道や後背低地、埋立地などは、揺れによって地盤が一時的に液状になるおそれがあると国土地理院が示しています。地表に水や砂が噴き出し、建物が傾いたり、上下水道が使えなくなったりするのはこのためです。

建物の耐震性と、その建物が載っている地盤の性質は別の話です。新しい建物だから揺れない、というわけではありません。

浸水想定:深さだけでなく引くまでの時間も見る

自治体が公表する洪水ハザードマップには、想定される浸水の深さが色で示されています。深さだけでなく、あわせて確認したいのが、水が引くまでにかかる時間、いわゆる浸水継続時間です。

同じ深さでも、半日で水が引く地域と、数日にわたって残る地域とでは、その後の暮らしへの影響が大きく変わります。断水や停電が重なった状態で、乳幼児を連れて建物にとどまり続けられるかどうかが、エリアを絞り込むときの判断材料になります。

避難環境:逃げられる場所と、そこまで行ける道があるか

最後の視点が避難環境です。ここで見るのは避難所の数ではなく、自分の家族が実際にたどり着けるかどうかです。

坂の途中にあるのか、途中に踏切や大きな交差点をはさむのか、夜間や雨の中でも歩ける道幅なのか。地図の上では近くても、条件によって現実の距離感は変わります。詳しい見方は、後ほど改めて取り上げましょう。

(参考:国土地理院「地形分類(ベクトルタイル)」)

一都三県の台地と低地|住むエリアの成り立ちを知る

台地と低地という言葉が出てきましたが、一都三県ではこの2つが入り組んでいます。関東平野の地形は、長い時間をかけた海面の上下と、川の働きによって形づくられました。その結果として、高い平坦面と、その間を埋めた低い平坦面が並んでいます。

同じ沿線、同じ市区町村でも、駅の東と西で成り立ちが違うことがあります。その土地の大まかな成り立ちを押さえておくと、候補エリアの見え方が変わってくるでしょう。

台地はどうやってできたのか

武蔵野台地、大宮台地、下総台地、相模野台地。これらはいずれも、更新世に海や川がつくった平坦な面が、その後の海面低下と川の侵食によって一段高く取り残されたものです。武蔵野台地でいえば、およそ13万年から11万年前に海だった時代の面と、10万年から3万年前に古多摩川が砂礫を積もらせてできた面が、主な段丘にあたります。

台地の表面をおおっているのは、富士山や箱根の火山灰が積もった関東ローム層です。台地の中央部では、この層の厚さが6mから8mほどになります。

東京でいえば、山の手と呼ばれてきた一帯が武蔵野台地です。埼玉では川口市からさいたま市、鴻巣市にかけて大宮台地が南北に伸び、千葉の北部一帯は下総台地、神奈川の県央部には相模野台地が広がります。いずれも周囲より高い位置にあるため、川の氾濫による浸水は受けにくい地形といえます。

一方で、台地なら無条件に安心とは限りません。台地の縁は斜面や崖になっていることが多く、そこでは土砂災害が課題になります。また、台地の上にも川が削った谷が刻まれており、そこには水が集まります。台地の上か、谷か、縁か、下かで話が変わる点は押さえておきましょう。

低地はどうやってできたのか

低地の成り立ちは、台地とは対照的です。およそ1万8千年前の最も寒かった時期、海面は現在より約130m低く、川は台地を深く削って谷を刻みました。その後は気温の上昇とともに海面が上がり、谷の奥まで海が入り込みます。約6千年前には海面が現在より2mから3m高くなったとされ、そこへ川が運んだ砂や泥が堆積して谷を埋め戻していきました。こうしてできた平らな土地が、いま私たちが低地と呼んでいる場所です。

隅田川や荒川の周辺に広がる東京低地、埼玉の荒川低地や中川低地、千葉の利根川・江戸川沿い、神奈川の多摩川沿いや鶴見川流域などが該当します。埋め戻された堆積物は新しくやわらかいため、揺れやすさや液状化の課題を抱えやすい地形です。

ただし、低地は暮らしにくい土地という意味ではありません。交通や商業が集まり、生活の便が高いエリアも数多くあります。だからこそ、リスクを知ったうえで住まい方を選ぶという発想が要ります。

同じ市区町村でも台地と低地は混在する

エリア選びでつまずきやすいのが、市区町村や駅の単位でリスクを判断してしまうことです。一都三県では、同じ区の中に台地と低地の両方が含まれる例がめずらしくありません。駅の東口と西口で地形が変わることさえあります。

そのため、災害に安全な街かどうかを地域全体の評判で決めず、検討している物件の住所そのものを地図で確かめてください。エリア名ではなく番地の単位まで見ることが、判断の精度を上げます。

地形分類で候補地を確かめる手順

土地の成り立ちは、国土地理院が公開している地形分類の情報から確認しましょう。国土交通省が運営する「重ねるハザードマップ」というサイトでも、この地形分類と洪水や土砂災害の情報を、1つの地図に重ねて表示できます。

  • 地図上で検討中の住所を表示する
  • 地形分類を選び、その地点が台地・自然堤防・後背低地・旧河道のどれにあたるかを見る
  • 洪水や土砂災害の情報を重ね、地形と災害リスクの関係を確認する
  • 気になる点があれば、自治体が配布するハザードマップで最新の内容を照合する

(参考:国土地理院「土地の成り立ちから災害リスクを知る|地理院地図の使い方」)

乳幼児連れを前提にした避難環境の見方

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避難について考えるとき、大人だけの想定と、乳幼児を連れた想定とでは、必要な情報が変わってくるものです。ここでは、子育て世帯が物件を決める前に確かめておきたい点を順に見ていきます。

前提として知っておきたいのが、避難先には性格の異なる2種類があるという点です。

指定緊急避難場所と指定避難所は役割が違う

災害対策基本法では、市町村長が指定緊急避難場所(第49条の4)と指定避難所(第49条の7)をそれぞれ指定することになっています。前者は災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所で、洪水、土砂災害、地震、津波といった災害の種別ごとに指定されます。後者は、避難してきた人が一定期間を過ごすための施設です。

ここで注意したいのが、災害種別ごとという点です。地震のときに向かう場所と、洪水のときに向かう場所が同じとは限りません。自宅から近いという理由だけで避難先を1か所に決めておくと、いざというときに向かう先を間違えるおそれがあります。

徒歩何分ではなく、抱っこで歩き切れる道かで見る

地図アプリが示す徒歩の所要時間は、大人が平常時に歩く速度をもとにした目安です。乳幼児を抱え、荷物を持ち、路面が濡れている状況では、同じ距離でも倍近い時間がかかることがあります。ベビーカーは段差や人の多さで使えなくなる場面も想定しておきたいところです。

内見に行く機会があれば、物件から避難先までの道のりを実際に歩いてみることをおすすめします。地図上の所要時間では分からない上り下りや道幅が、歩いてみると分かります。

道のりにある坂・踏切・アンダーパスを確認する

避難の道のりで結果を左右するのが、途中にある障害物の有無です。確認しておきたいのは、次のような点になります。

  • 上り坂や階段が続いていないか
  • 線路をまたぐ必要があり、踏切や歩道橋を通らないか
  • 道路が周囲より低くくぼんだアンダーパスを通らないか
  • 歩道が狭く、大型車の通行が多い道ではないか
  • 街灯が少なく、夜間に暗くなる区間がないか

くぼ地の構造をもつアンダーパスは、大雨のときに水がたまりやすい場所です。避難経路にこうした地点が含まれていないかは、地図と現地の両方で見ておくと安心できます。内見の予定を組むときに、周辺も歩いてみたいと不動産会社へ伝えておくと、当日の段取りに入れてもらいやすくなります。

(参考:内閣府「避難場所に関すること」)

安全性と利便性の折り合いをつける3つの考え方

ここまで読んで、条件を満たす物件が見つかるのか不安になった方もいるかもしれません。実際のところ、すべての条件で満点を取れる土地はほとんどありません。大切なのは、どこを優先し、どこを別の手段で補うかを決めることです。

判断の軸になる考え方を、3つに分けて見ていきましょう。

すべてを満たす土地はない前提で優先順位を決める

災害のリスクは、水害、土砂災害、地震の揺れ、液状化と複数あり、それぞれ強い地形が異なります。台地は水害に強い一方で、縁の斜面では土砂災害が課題になる。低地は生活の便に恵まれる代わりに、揺れやすさを抱えている。どちらを選んでも、別の課題が残ります。

そこで、家族にとって何が最も避けたい事態なのかを先に決めておきます。避難そのものが難しい乳幼児がいる時期なら、自宅にとどまれる可能性を優先するという考え方もひとつです。

エリアで下げきれない分は建物側の条件で補う

地域のリスクは、住まいの選び方である程度カバーできます。浸水想定のある地域なら階数を上げる、揺れやすい地盤なら建物の構造や築年数に目を向ける、といった具合です。電気設備が地下や1階にある建物では、浸水によって生活が止まる可能性も考えられます。

エリアと建物はセットで考えるもの、と捉えておきましょう。立地で100点を狙うより、エリアと建物を組み合わせて考えるほうが、現実的な候補が見つかります。

エリア選びの段階から相談できる不動産会社を使う

地形分類やハザードマップは、誰でも見られる情報です。ただ、それを候補地ごとに読み解き、家族構成に照らして意味づけする作業には手間がかかります。仕事や育児と並行して進めるとなればなおさらです。

ゼンは、横浜市で不動産賃貸事業を営む会社です。神奈川県宅地建物取引業協会に加盟し、物件のご提案から賃貸契約、ご入居までをサポートしています。エリアや周辺環境で気になる点があれば、物件を絞り込む前の段階からお気軽にお尋ねください。

(参考:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」)

【まとめ】災害に強い地域は4つの条件の重なりで見えてくる

災害に強い地域を見極める手がかりは、地形、地盤、浸水想定、避難環境の4つでした。一都三県では台地と低地が入り組んでいるため、市区町村や駅の単位ではなく、番地の単位で土地の成り立ちを確かめることが出発点になります。そのうえで、乳幼児を連れて実際に歩ける避難経路があるかどうかまで見ておくと、判断の精度が上がります。

すべてを満たす土地はありません。だからこそ、優先順位を決め、エリアで下げきれないリスクを建物側の条件で補うという発想が要ります。集めた情報を候補地ごとに読み解く作業は、どうしても必要になります。

ゼンは、こだわりの条件から住まいを探すお客様と向き合ってきた賃貸仲介会社です。安全性と暮らしやすさのどちらも譲りたくないというご相談にも、エリア選びの段階からお付き合いします。お子さまとの新しい暮らしを見据えて物件を探している方は、ぜひ一度ゼンにご相談ください。

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